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(3)運用
?沿岸漂着が予測される場合は、早期に洋上回収処理を行う必要がある。
?既に沿岸漂着している場合は、被害を受ける海岸を最小にする工夫が必要である。
?オイルフェンスの活用による油の包囲、または漂着した油を閉塞してしまう。
?オイルフェンスの活用により、保護の必要な海域を汚染から護る。
?C重油は、油処理剤の効果がないことが少なくなく、使用前にはテストを行い効果の確認を行う。
?沿岸漂着した場合は、長期間に及ぶことを念頭に作業員の手配を行う。
3.原油の流出
(1)概要
センターでは、過去原油タンカーからの漏洩事故を6件扱っている。内4件は取扱ミスによるものであり、1件は衝突が原因で引火火災を起こしている。
我が国では、大規模なタンカー事故として、昭和40年ヘイムバード号(室蘭)、昭和46年ジュリアナ号(新潟)事故を経験しているが、その後この種の流出事故は発生していない。
(2)流出状況
流出量が多い時、油種によっては原油ガスの発生に注意が必要であり、風下は広範囲にわたり危険海域となる。
非防爆型の作業船の接近は避けなくてはならない。
原油の蒸発成分は、1〜3日のうちに蒸発し、残油は急速にムース化して行く。
(3)運用
海上に流出し軽質分が蒸発、またはムース化した時の対応は、C重油と同じになる。4.ガソリンの流出ガソリンが海上に流出すると、引火性が高く非常に危険である。
また、蒸発速度が速いため、万一流出事故があれば付近の人の立入を数時間禁止として、火気に十分注意する。

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写真1ムース化した油

含水率66%

C重油、原油の流出現場では結果として

このような油を回収することとなる

 

 

 

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